腹が減っても張っても勝負はできぬ!試合前の食事術
タイミングを考慮して食べ方を工夫しよう

子どもを食事面からサポートしたいと思っています。
試合前日、当日の食事で気をつける点があれば教えてください。
|対象| 混合系、保護者、サッカーチーム

日々トレーニングに励んでいるお子様を食事面からサポートしたい、ベストコンディションで試合に臨んでもらいたいというお気持ち、とてもよくわかります。 ただ、試合前日・当日だけ適切な食事を摂っても、普段の食事が疎かでは結果につながり難くいでしょう。 したがって、日頃の食事から「スポーツ選手の食事基本スタイル」である主食・主菜・副菜2皿以上、果物、乳製品を揃え、バランスの良い食事を心がけることが大切です。 その上で、試合前後の食事のコツを実践しましょう(図1)。

図1. 試合前後の食事術
<試合前>
トレーニング日と試合日で異なるのが緊張感です。
もちろん、試合前でも通常と変わらない選手もいると思いますが、試合に勝ちたい、よい結果を得たいなどの思考が緊張感を増し、普段に比べて消化吸収力を低下させてしまう可能性があります。
したがって消化がよく、食べ慣れたものを食べることがおススメです。
種目によっては試合数日前から筋グリコーゲンを蓄える食事法を取り入れるケースもありますが、ここでは一般的な試合前の食事術をご紹介します。
1. 試合前日の食事
運動中の主なエネルギー源である糖質(炭水化物)を多めに摂取します。
例えば、ご飯やパン、麺類などの主食以外に、かぼちゃの煮物やじゃがいものみそ汁、肉じゃが、マカロニサラダなどを用いると無理なく、おいしく糖質を多く摂ることができます。
糖代謝に必須のビタミンB1やB2も摂りましょう。
また、抗ストレス作用のあるビタミンCが豊富な柑橘類やイチゴ、キウイフルーツなども上手に取り入れるとよいでしょう。
脂っこいもの(揚げ物や脂ののったステーキなど)やお刺身などの生もの、食物繊維の多い食品の過剰摂取は、控えましょう。
2. 試合当日の食事
表題にもあるように、ポイントは「腹が減っても張っても勝負はできぬ!」です。
試合時に空腹や満腹を感じるのはあまりおススメではありません。
したがって、試合から逆算し、3時間前くらいまでに糖質を中心とした食事を摂るとよいでしょう。
もし、食事を摂るタイミングが試合に近い場合には、消化のよい素うどんや、おにぎり、果物などの軽食を摂るとよいでしょう。
試合まで1時間未満で小腹が空いてきた時には、吸収速度が速いエネルギーゼリーや果物、スポーツドリンクなどで糖質と水分を補給しましょう。
<試合中・ハーフタイム>
水分補給を中心におこないます。
発汗量の多い場合には、ナトリウムなどのミネラル類の摂取を、長時間の運動によりエネルギーの損耗が大きい場合には糖質の補給も意識し、スポーツドリンクやエネルギーゼリーなどを活用するとよいでしょう。
<試合後>
できるだけ速やかにスポーツ選手の食事基本スタイルの揃った食事(主食・主菜・副菜2皿以上・果物・乳製品)を摂りましょう。
ただ、試合後すぐに食事がとれないこともあるでしょう。
そういう場合には、運動中に使ったエネルギー源(糖質)と、筋肉の修復に欠かせないたんぱく質を豊富に含んだ補食を活用するとよいでしょう。
具体的には、おにぎり(糖質)と、ヨーグルトドリンク(たんぱく質)、バナナと牛乳、果汁100%のオレンジジュースとハムやチーズ、卵などのたんぱく質を挟んだサンドイッチなどをとるとよいでしょう。
今回ご紹介するレシピは、「ブロッコリーとミニトマトのツナアマニ和え」です。試合前の食事での活用はもちろん、試合後の食事にもおススメの一品です。 ブロッコリーには抗ストレス作用のビタミンCや、エネルギー代謝に不可欠なビタミンB群が、ミニトマトには粘膜保護に役立つビタミンAや抗酸化作用のあるリコピンが、ツナの水煮にはたんぱく質が豊富に含まれています。 アマニ粉末とめんつゆ、ごま油でこれらの食材を和えることで旨味と風味をよくし、食べ易い料理に仕上げています。 ぜひお試しください。