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スポーツジュニアの栄養サポート

時間栄養学


体内時計に影響を及ぼす栄養・食生活

注目を集める時間栄養学
2017年に、体内時計を生み出す遺伝子とそのメカニズムを解明したJeffrey C. Hall博士らがノーベル生理学・医学賞を受賞したこともあり、体内時計と栄養学の相互作用を考える「時間栄養学」にも関心が集まっています。
体内時計や時間栄養学の詳細、先行研究については他の論文・総説等をご参照いただき、本コラムではスポーツに励むジュニア選手に役立つ時間栄養学にまつわる栄養・食生活情報をご紹介します。

実践1・朝食摂取
私達のカラダには生体内に一定の周期をもたらし、体温や血圧、消化などの生理学的機能を調節する「体内時計(時計遺伝子)」が備わっています。
しかし、その体内時計は、1日24時間で進む地球での時間より、やや長めのサイクルで動くため、日々ズレが生じかねません。
そのズレをなくすのに重要な役割を担うのが、光の刺激と食事の刺激です。つまり、朝起きたら太陽の光を浴び、朝食をとることで体内時計をリセットし、地球の時間とのズレを解消することができるのです。
以前、本連載で、朝食を毎日食べる子どもは、朝食を欠食する子どもより体力や学力の結果が良好であったことをご紹介しましたが、睡眠との観点からも朝食摂取は重要です。
なぜなら、朝食欠食による体内時計の後退や睡眠休養感の低下、体内時計の後退に伴う寝つきの悪化を介した睡眠不足の生じやすさなどが報告されている1)からです。
成長期である上、運動によるエネルギー消費量も多いジュニアスポーツ選手は、必ず朝食をたべるようにしましょう。

実践2・練習が遅い日は補食や分食を活用
「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」1)では、こども版として、①小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保すること、②朝は太陽の光を浴びて、朝食をしっかり摂り、日中は運動をして、夜ふかしの習慣化を避けること、の2点が推奨事項として掲げられています。
スポーツジュニアの中には、居住地から離れた場所でスポーツ活動を行い移動に時間を要し帰宅・夕食が遅くなっている選手や、スポーツ後に塾やピアノなどの習い事へ行き帰宅・夕食が遅いケースをみかけます。
夜遅い食事も、朝食欠食と同様に体内時計を後退させるため、練習前後の補食や分食(食事を数回に分けてたべること)を活用して、遅い時間にたくさん食べることがないように調整するとよいでしょう。
例えば、練習前の補食におにぎり(主食)を摂り、練習後の補食でバナナ(果物)と牛乳(乳製品)を摂取。
帰宅後遅めの夕食では、主食のご飯、野菜のみそ汁(副菜)に、「まぐろのたたき」などのヘルシーな主菜にする、あるいは「アマニごまだれの坦々そうめん」や「鶏肉ときのこのアマニ油ドレッシングパスタ」など、ヘルシーでありながらも主食・主菜・副菜が一度に揃う料理を活用するのも一案です。
遅い時間に食べる際には、ボリュームを少なめにしたり、胃腸に負担がかかりやすい脂っこいものを控えヘルシーな料理を選ぶとよいでしょう。
また、早めに夕食を済ませたのに小腹が空いた時も、ホットミルクや「バナナのアマニメープル」程度のボリュームに留めておくと安心です。

実践3・カフェインの摂り方に注意
カフェインの代謝には個人差がありますが、朝の摂取では体内時計への影響は少ないものの、夕方や夜の摂取では体内時計を後退させ、夜間の睡眠に影響しやすいといわれています。
特に子どもの場合には、成人より少ないカフェイン量(1日あたり1~3mg/体重kg以上)で睡眠に悪影響が生じることが報告されており、注意が必要です。
コーヒーや緑茶にカフェインが含まれることは広く知られていますが、エナジードリンクにも高濃度にカフェインを含む製品がある為、飲む際には栄養表示を確認し摂取量を最小限に留める、夕方以降は摂取を控えるなどの配慮をしましょう。
時間栄養学の研究が進みつつある現在、スポーツ現場で活用できそうなノウハウも出てきています。しかし、髙橋ら2)が述べるように「その効果には大きな個人差があり、現場での活用を試みる場合には、トレーニング期に十分な検討をしてからの活用が望ましい」ことも忘れてはいけないと考えます。
特に、成長期であるジュニア選手の場合には、競技力向上の前に、健全な発育・発達を考慮することが重要です。
そのためには、体内時計と地球時計にズレが生じないように、まずは適切な食事と運動、休養(睡眠)をとるよう心がけましょう。

参考文献・出典
1) 厚生労働省:健康づくりのための睡眠ガイド 2023
2) 髙橋将記、金鉉基:時間栄養学と運動・スポーツパフォーマンス, 日本スポーツ栄養研究誌15, 13-19 (2022)

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執筆

(株)しょくスポーツ 代表取締役

こばたてるみ

公認スポーツ栄養士、管理栄養士、健康運動指導士

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