キレのある丈夫なカラダ
カラダづくりに必要な栄養素をバランスよく摂ろう!

筋肉をつけてキレのあるカラダにしたい。たんぱく質をたくさんとればいい?
|対象| 瞬発力・筋肉系、中学1年男子、陸上短距離

ジュニア選手の中には、お肉をたくさん食べれば筋肉がつく!と思っている選手をしばしば見かけます。確かに、お肉には筋肉の主材料であるたんぱく質が豊富に含まれています。
しかし、お肉を摂っただけでは筋肉隆々でキレのあるカラダにはなれません。なぜなら、筋肉はトレーニングにより筋繊維の一部が壊され、それを修復するための材料となる栄養(=バランスの良い食事)と、適度な休養をとることで、少しずつ太く修復されていく(超回復という)からです。
中でもご質問者が行っている短距離をはじめ、ウエイトリフティング、跳躍、相撲など、大きな力を瞬時に発揮しなければならない競技の場合には、しっかりした筋肉のみならず、丈夫な骨、そして筋肉と骨を繋ぐしなやかな靭帯もケガや故障を防ぐために重要です。
すなわち、筋材料のたんぱく質以外にも、骨づくりに欠かせないカルシウムやその吸収を促進するビタミンD、カルシウムを骨に沈着させるビタミンK、さらに靭帯や腱の合成に必須のビタミンCも積極的に摂る必要があるのです。
また、たんぱく質を代謝する際にはビタミンB6が欠かせませんので、B6が豊富なカツオや鮭、いわし、あさり、レバー、ブロッコリー、さつまいも、アボカドなども料理に活用するとよいでしょう。
たんぱく質はお肉をはじめ、魚や卵、大豆製品、乳製品に豊富ですが、たんぱく質が豊富な食材には脂質を多く含んだ食材が少なくありません。例えば、まぐろの場合、赤身は100gあたりたんぱく質が26.4g、脂質が1.4gですが、脂ののったトロになると20.1g、27.5gで、なんと、たんぱく質より脂質の方が多いのです。
一方、お肉の場合は部位によっても栄養価に差がありますが、品種によっても数値が大きく異なります。例えば、ステーキでよく用いられるリブロースの脂身つき。一般的なもの(乳用肥育)はたんぱく質が14.1g、脂質が37.1gですが、輸入牛では20.1g、15.4gで、和牛では9.7g、56.5gとなんと脂質が半分以上を占めているのです。牛ひれ肉の場合も、輸入牛では20.5g、4.8でかなりヘルシーですが、和牛では19.1g、15.0gと脂質を結構含んでいます。
また、卵の場合は黄身と白身で、大豆製品は食品の種類で栄養価が大きく異なります。乳製品には高脂肪や低脂肪、無脂肪といった商品もありますので、目的に応じて選ぶとよいでしょう。
筋肉をつけてキレのあるカラダを手にいれるためにも、好き嫌いすることなく様々な食材や調理法、料理を楽しみましょう。
部位によるたんぱく質と脂質含有量の違い



出典:日本食品標準成分表 2015年版(七訂)