骨づくり
成長期は丈夫な骨をつくる大切な時期、
偏食せず食べよう!

疲労骨折を予防し、身長をもっと伸ばしたい。
牛乳をたくさん飲めばいい?
|対象| 混合系、小学6年男子、バスケットボール

バレーボール選手、バスケットボールのセンター、サッカーのゴールキーパーなど、長身が有利になる種目やポジションもあるため、ジュニア選手や保護者からこのような質問をよく受けます。 確かに、牛乳には骨の主材料であるカルシウムが豊富に含まれていますが、骨づくりにはそれ以外の栄養素も必要な為、牛乳だけでは十分とはいえません。
骨づくりはよく鉄筋コンクリートに例えられます。骨組みの鉄筋部分は、繊維状のたんぱく質であるコラーゲンやオステオカルシンが担当。その周りのコンクリートはカルシウムが担います。 つまり、カルシウムだけ、あるいはたんぱく質だけたくさん摂っても鉄筋コンクリートのような強固な骨はできないのです。 さらに、腸管からのカルシウム吸収を促すビタミンDや、骨に存在するオステオカルシンを活性化してカルシウムを骨に沈着させるビタミンK、骨形成に欠かせないマグネシウム、コラーゲンの合成に必須のビタミンCなど、多くのビタミン・ミネラルが骨づくりに関与しています。 これらの栄養素が豊富な食材(表参照)を上手に組み合わせて食事にとりいれることが大切です。
一方、カルシウムの吸収を阻害するスナック菓子やインスタント食品、カフェインを多く含むコーヒーの多飲は控えめにしましょう。 喫煙もカルシウムの吸収を妨げるため、外食の際には禁煙席に座ったり、喫煙者が周囲にいる場合には受動喫煙にならないように気をつけましょう。
骨は日々新陳代謝が起こり、古い骨が壊され(骨吸収)、新しい骨がつくられて(骨形成)います。 運動で骨に刺激を与え、骨づくりに関わる栄養素を毎日摂り、十分な睡眠をとって成長ホルモンを分泌させることで骨形成が促されます。 成長期は骨づくりの重要な時期でもあるので、適度な運動と睡眠、バランスの良い食事を意識しましょう。
今回は、カルシウムを青梗菜と牛乳から、たんぱく質はハムと牛乳から、ビタミンDは干ししいたけから摂れる「青梗菜のクリームスープ」をご紹介します。 干ししいたけの戻し汁も活用し、生姜の風味と、水溶き片栗粉でつけたとろみが旨味とコクを引き出します。 ぜひお試しください。
*補足:ビタミンDは、日光(紫外線)に当たることで皮膚でも合成されます。
カルシウムの多い食品 | ||
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食品 | 1食あたりの目安量 | (mg) |
牛乳 | コップ1杯(200ml) | 231 |
厚揚げ(生揚げ) | 1/2枚(75g) | 180 |
小松菜 | 1/3束(80g) | 136 |
高野豆腐(乾) | 1個(20g) | 126 |
チーズ(プロセスチーズ) | 6pチーズ1個(20g) | 126 |
ヨーグルト(全脂無糖) | 1カップ(90g) | 108 |
青梗菜 | 1株(100g) | 100 |
木綿豆腐 | 1/3丁(100g) | 86 |
納豆 | 1パック(50g) | 45 |
切干大根 | 7g | 35 |
しらすぼし(微乾燥) | 大さじ2(10g) | 21 |
ビタミンDの多い食品 | ||
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食品 | 1食あたりの目安量 | (μg) |
さんま | 1尾(150g) | 28.5 |
うなぎ(蒲焼) | 1串(80g) | 15.2 |
カレイ | 1切れ(80g) | 10.4 |
さば | 1切れ(80g) | 8.8 |
しらすぼし | 大さじ2(10g) | 6.1 |
カツオ | 4切れ(80g) | 3.2 |
卵(生) | 1個(50g) | 1.5 |
牛乳 | コップ1杯(200ml) | 0.6 |
しいたけ(生) | 3枚(30g) | 0.6 |
しいたけ(乾) | 3枚(3g) | 0.5 |
ビタミンKの多い食品 | ||
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食品 | 1食あたりの目安量 | (mg) |
納豆 | 1パック(50g) | 435 |
ほうれん草 | 80g | 216 |
小松菜 | 80g | 168 |
にら | 50g | 90 |
ブロッコリー | 50g | 80 |
キャベツ | 50g | 39 |
サニーレタス | 10g | 16 |
わかめ(乾燥) | 1g | 16 |
卵 | 1個(50g) | 7 |
のり | 0.5g | 2 |
出典:日本食品標準成分表 2015年版(七訂)