水分補給とバランス食で足がつるリスクを軽減
筋けいれん(足がつる)を防ぐためにも
バランスのよい食事を摂ろう

試合中に足がつりました。食事面で気をつけたらよいことはありますか?
|対象| 混合系、小学4年男子、テニス

突然、筋肉が異常に収縮し、ふくらはぎや足指などに激痛が走る「足がつった」状態。通常は数分で治まりますが、できれば回避したいですね。しかし、足がつるメカニズムはまだよくわかっておらず、食事だけで完全に防ぐのは難しいかもしれません。ただ、発症の傾向はみられ、夜寝ているときや、激しい運動時に起こることが多いため、加齢に伴う筋肉量の減少や冷えによる血行不良、発汗による脱水や筋収縮に関与する電解質バランスの乱れなどが影響していると考えられています。
そこで各自ができる対策としては、運動前後のストレッチ、運動時の適切な水分補給および日常的にこまめな水分摂取、欠食をしない、バランスのよい食事を摂ることなどが挙げられます。最近では、運動中の水分補給を意識している選手は多いと感じます。しかし、欠食があったり偏食が多いと、食事中に摂れるはずの水分やミネラル類を十分に補うことができずに、結果的に脱水や電解質バランスの乱れを招き、「足がつる」リスクを高めてしまいかねません。
また、暑熱環境下でスポーツを行うと非常に発汗量が多くなりますが、その際、ミネラルを含まない真水で給水し続けていると、血中の塩分濃度が低下することで筋痙攣(こむらがえりのような症状、熱けいれん)が起こることがあります。小学生のトレーニング量で、血中塩分濃度が低下するほど発汗することはそう多くないと思いますが、下痢や嘔吐、発熱、欠食等が続いた状態でトレーニングを行うと、そのリスクは一気に高まります。トレーニング前の体調チェックをしっかり行うことはもちろん、高温多湿下での運動で発汗量が多い時(目安としては運動継続時間が1時間以上の場合)にはミネラル類も含んだスポーツドリンクを活用する(自作ドリンクの場合の目安:水1リットル、塩小さじ2/5~1/5、砂糖大さじ5、レモン汁適量)、欠食や偏食をせずにいろいろな味付けの料理をバランスよく摂取する(スープや汁物、煮物などからも塩分やミネラル類が摂れる)ようにしましょう。
因みに、カルシウムは牛乳やチーズなどの乳製品、豆腐や納豆などの大豆製品、小松菜などの葉野菜、小魚類に豊富に含まれています。マグネシウムは、わかめやひじきなどの海藻類、ナッツ類に豊富です。カリウムは、野菜やいも類、バナナやキウイなどの果物に多く含まれています。今回は、暑くて食欲が減退しがちな季節でも食べ易い具だくさんの冷やし中華をメインに、カルシウム豊富な青菜とマグネシウムリッチなわかめのスープ、カリウムの多いスイカ、カルシウム豊富なヨーグルトの献立をご紹介します。冷やし中華の具材にお肉や卵、野菜、そしてアマニ油と粉末を使ったたれをかけることで、ミネラルもたっぷり摂ることができます。適切な水分補給と共に、栄養バランスのよい食事で「足がつる」リスクを軽減させましょう。