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ミネラル


過不足することなくミネラルを上手にとろう!

ミネラルとは、人体を構成する主要な4元素(酸素、炭素、水素、窒素)以外の元素の総称で、人体の約3~4%を占め、無機質とも呼ばれています。ミネラルは体内で合成できないため食べ物から摂取する必要があり、人体の構成成分としての役割と共に、生命活動に必要な生体機能の調節に働いています。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、多量ミネラルとしてナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リンが、微量ミネラルとして鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデンが含まれ、推奨量や目標量、目安量が示されています。どのミネラルも過不足なく摂取することが大切ですが、スポーツするジュニア選手にとって特に意識したいのが、多量ミネラルと貧血予防に重要な鉄です。

ナトリウムは細胞外液に、カリウムは細胞内液に多く含まれ、相互に作用しながら細胞内外液の浸透圧の維持、酸・塩基平衡の調節をおこなっています。ナトリウムは主に食塩として摂取され、通常の食事をしていれば摂取不足になることはなく、逆に過剰摂取による高血圧や慢性腎臓病のリスクが心配されています。ナトリウムの推定平均必要量は、食塩相当量として成人で1.5g/日程度と推定されていますが、摂取実態とかけ離れている為、生活習慣病予防の観点として目標量が設定されています。
しかし、アスリートやジュニア選手の場合には、運動時の発汗により、ナトリウムをはじめミネラル類の損耗が考えられます。特に、高温環境下や一時間を超える継続運動の際には発汗量が増えるため、運動中の水分補給には塩分を含んだ飲料(スポーツドリンク等)を摂取するとよいでしょう。
一方、カリウムは神経や筋肉の興奮伝導にも関与し、腎臓で尿中へのナトリウム排泄を促す働きも知られてます。食事量が多くなると必然的に塩分摂取量も増えやすく、さらに運動時に塩分入り飲料で給水することを考慮すると、アスリートやジュニア選手はカリウム豊富な野菜や果物も積極的に食べるとよいでしょう。

骨づくりに関与するミネラルには、カルシウム、マグネシウム、リンが挙げられます。カルシウムは、骨や歯の主成分であると同時に、筋収縮にも関与している為、成長期のジュニア選手は積極的に摂りたい栄養素です。乳製品や小魚、きな粉や焼き豆腐、がんもどき、小松菜などの葉野菜に豊富に含まれています。給食で牛乳を摂取する日に比べ、給食がない日のカルシウム摂取量は少な目であることも報告1)されている為、カルシウム豊富な食材や料理の摂取を日々意識しましょう。
マグネシウムはアーモンドなどの種実類や、魚介類、海藻類、野菜や豆類に豊富に含まれています。基本的には欠乏や過剰症の心配はありませんが、サプリメントなどによる過剰摂取では下痢などを招く可能性があります。したがって、食品からの摂取を心がけるとよいでしょう。
リンはカルシウムと共に骨や歯に存在し、エネルギー代謝にも関与しています。カラダに必要な栄養素ですが、リンの過剰摂取は腸管でのカルシウムの吸収を抑制する為、リンを多く含む加工食品や清涼飲料水の摂り過ぎには注意しましょう。

体内で酸素運搬役を務めるヘモグロビンの主成分の鉄も、ジュニア選手に積極的に摂って欲しい栄養素です。特に月経がある女子選手や、足底を何度も打ちつける長距離走や剣道などをおこなっているジュニア選手の場合、鉄の損耗量が多くなります。また、鉄はどの食材にも万遍なく含まれているわけではない為、鉄が豊富な食材や料理を意識して食べることが大切です。レバーや牛赤身肉、アサリ、しじみ、カツオ、マイワシ、卵、ほうれん草、小松菜、厚揚げ、凍り豆腐などには、豊富に鉄が含まれているので、積極的に料理にとりいれましょう。なお、植物性食品に含まれる鉄は非ヘム鉄と呼ばれ、動物性食品に含まれるヘム鉄より、体内への吸収率が低めです。しかし、動物性たんぱく質とビタミンCを一緒に摂ることによって、非ヘム鉄の吸収率を高めることができます。例えば、ほうれん草のサラダ(非ヘム鉄)には、ツナ(動物性たんぱく質)とグレープフルーツ(ビタミンC)をトッピングすると、鉄の吸収率を高めることができます。ぜひ、様々な食材摂取を心がけ、上手にミネラルをとりましょう。

1) 野末みほ、他:小学5年生の学校給食のある日とない日の食事摂取量と食事区分別の比較、栄養学雑誌Vol.68(5)、298-308(2010)
2)厚生労働省:e-ヘルスネット「ミネラル」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-035.html
3) 田中清、上西一弘:日本人の食事摂取基準2020年版におけるビタミン・ミネラル、日本栄養・食糧学会誌 第73巻(6)、231-236(2020)
4) 岡村浩嗣 編著:市民からアスリートまでのスポーツ栄養学、八千代出版(2012)

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執筆

(株)しょくスポーツ 代表取締役

こばたてるみ

公認スポーツ栄養士、管理栄養士、健康運動指導士

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