COLUMN

世界のアマニから

− レシピ編 −

イラン編

受験生の強い味方 イラン版オムレツ

教育熱心な国と言われるイラン。
大学入試にはイラン全土から100万人以上が参加する 「コンクール」という全国統一試験があり、 その順位で入学できる大学が決まるので競争は実に熾烈。
そんな受験生たちが夜食によく食べるのが イランの代表的な家庭料理「クク」です。

野菜をどっさり入れた「クク・サブズィー(野菜)」は 野菜をボールに入れ、卵を落として混ぜ、 塩・コショウなどで軽く味付け。
フライパンに入れて、程よく焼き上がるのを待つだけです。
付け合せとしては、ヨーグルトやクルミ、ピクルスなどが添えられ、 温かい状態でも冷やした状態でも 美味しくいただけるのが特徴です。

ここに、 ローストアマニやアマニ油をかけるのが親の知恵。
受験を元気に乗り切りたい時や 寒い季節にも負けないからだのために役立つ…と、 アマニを重宝しているそうです。

作り方が簡単なことから 「子どもの夜食(クク)は、パパが作る!」という家庭も多く、 ククは“おふくろの味”ならぬ“パパの味!”と答える 子どもも多いそう。
親の思いと願いを込めたククを食べながら 受験生は机に向かいます。

世界のアマニレシピ

そら豆のクク
~ヴィーガンバージョン~

そら豆のクク~ヴィーガンバージョン~
材料 ( 4~5人分 )
  • ・ニップン ローストアマニ粉末 25g
  • ・水(※アマニ粉末の3倍量) 75cc
  • ・そら豆
    (茹で又は冷凍※薄皮はむく)
    150g(正味)
  • ・玉ねぎ 80g
  • ・塩 小さじ1/4
  • ・ベーキングパウダー・薄力粉 小さじ1/2、大さじ1
  • ・クミンシード・ターメリックパウダー 各小さじ1/2
  • ・ディル 4~5本(約10g)
  • ・ニップン ローストアマニ粒 大さじ1
  • ・ヨーグルト
    (プレーン・お好みでヴィーガン仕様のタイプ)
    100g
  • ・おろしにんにく・ドライペパーミント
    ・きゅうり・塩
    各少量
  • ・ナン・お好みの生野菜 各適宜
作り方

❶ローストアマニ粉末に分量の水を加え、ジェル状になるまで15分以上浸しておき、ローストアマニ粒小さじ1を加えて混ぜる。
❷そら豆120g分を、ブレンダー等でペースト状にし、残りはトッピング用に別にしておく。玉ねぎはみじん切りにし、ディルは細かく刻む。
❸そら豆に❶のアマニ、塩、クミンシード、ターメリックを加えて混ぜ、玉ねぎ、ディル、ベーキングパウダー、薄力粉を順に加えて混ぜ合わせる。
❹フライパンを熱して少し多めに油をひき、❸を平らに広げて入れ、残りのそら豆、ローストアマニ粒を散らす。蓋をして、弱中火で15分程蒸し焼きにする。
❺縁の周りが焼けてきたら一回り大きい平らな皿をのせ、フライパンごと裏返し、そのまますべらせて戻し、弱火で5~6分焼き、火を止めてそのまま少し蒸らす。
❻ヨーグルトにおろしにんにく、ドライペパーミント、塩、小角切りにしたきゅうりを加えて混ぜる。(マスト・ヒアール)
※ナンなどのフラットなパンに、玉ねぎや香菜などお好みの生野菜と一緒にククをのせ、お好みでマスト・ヒアールをかけて食べる。

ワンポイントレッスン

ペルシャ料理の”クク”は、本来、卵と野菜を組み合わせたオムレツのような料理。 そら豆以外にも、数種のハーブ、カリフラワー等、レシピも様々。 野菜料理も豊富なイランですが、ケバブや宗教行事の供物に等々、肉料理のイメージもある中、 環境問題などの思想的観念又は健康意識やダイエットなど、様々な理由で昨今では、 ヴィーガンになる人もしばしば見受けられるようです。
そんな中、ペルシャ料理をベースに、アマニを使ったヴィーガン・ククのレシピを見つけましたので、 アレンジしてご紹介致します。
卵の代わりにアマニを使った、通称”アマニ卵”。 時間を置いて浸水させ、しっかりジェル化させてから使います。 卵2個に置き換えると通常のククに。
アマニ粒はレシピのまま生地に加え、表面にも散らして焼くと、栄養価もアップで香ばしい歯ごたえも楽しめます!